美空ひばり  歌謡曲【豆知識】

美空ひばり(本名 加藤和枝)
1937~1989(満52歳没)

歌謡界を代表する国民的大スター。幼少のころから脚光を浴びて歌手として、そして映画への主演をも果たし「悲しき口笛」では主題歌・「東京キッド」の同盟主題歌のヒット。1952年に映画「りんご園の少女」の主題歌「りんご追分」が70万枚の大ヒットを遂げます。

江利チエミ・雪村いづみと共に『ジャンケン娘』の映画に出演したことを機に、「三人娘」として言われていました。
その後も芸能界の代表格として君臨し女性初の国民栄誉賞を受賞します。

【「真っ赤な太陽」はなぜ出来たのか? 】 

「真っ赤な太陽」 美空ひばり

作詞 吉岡治
作曲 原信夫
編曲 井上忠夫

昭和42年、すでに歌謡界の女王だった美空ひばりが初めて真っ赤なミニスカートを履き、ゴーゴーダンスを踊りながら歌うこの「真っ赤な太陽」という曲は、彼女のファンならずとも度肝を抜かれ、140万枚を売り上げるメガヒットを飛ばしました。それというのも、この時代の歌謡界の背景にビート革命とアレンジ革命というものが芽生え始めたのです。

これにより「歌手」、「伴奏」、「編曲」に新風が巻き起こり女王美空ひばりは、いち早くこの手法を取り入れた事でこの時代の波に乗りました。そして、名曲「真っ赤な太陽」というリズミカルでエネルギッシュな昭和歌謡曲の名曲を誕生させたのです。

【「悲しきく口笛」の曲がなかったら美空ひばりはいなかった 】 

「悲しき口笛」 美空ひばり

作詞 勝浦恍作
作曲 万城目正

魚屋を営む両親に生まれ、幼い頃から歌が飛び抜けてうまく、その才能を引き出したのは母親でした。
終戦後、私財を投じて楽団を結成し、町の公民館や、銭湯で舞台を作り歌っていたのが彼女の歌手としての始まりだったのです。
NHKの「素人のど自慢大会」に出場しますが、落選したり前座歌手として地方巡業する日々が続きました。そして、映画「悲しき口笛」で共演することになる川田晴久氏との出会い。昭和24年、美空ひばりが12才の時映画「悲しき口笛」の主題歌としてとして歌った曲です。

映画の後半に弱冠12才の少女だった美空ひばりが山高帽と燕尾服を身に付け歌った事で日本中が衝撃を受け、この時代ではメガヒットとなる45万枚売り上げた大ヒットとなりました。

悲しいメロディと共に大人の男と女の恋愛模様をまだあどけなさが残る少女が歌の詞を奥深くまで理解し、天才的に堂々と歌ってみせたというのは戦後というその時代、新鮮ではあるけれどかなり物議を醸し出したそうです。しかし、この曲によって昭和史に輝く天才歌手美空ひばりを誕生させた事は言うまでもありません。

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