News Ticker

髪型チェックのためじゃない!? エレベーターに大きな鏡がついている理由

 
file-t-6
 

普段何気なく利用するエレベーターですが、エレベーターの壁には大きな鏡が貼られていることがあります。あの鏡はなぜついているか知っていますか?決して身だしなみを整えたり、「今日の服装を写真に撮ってSNSにアップしよう!」というためのものではありませんよ。

エレベーターの鏡は、車椅子の方が乗ったときに箱の中では狭くて回転できないため、そのまま後ろ向きの姿勢で下りられるように取り付けられています。車いすの方は通常前進してエレベーターに乗り込みますが、前の壁に大きな鏡が貼られていることによって、後方に人や障害物がないか鏡を見てチェックしながら降りることができるんですね。

ちなみにこの鏡は、車椅子に乗っている方だけではなく、介護のため車椅子を押している方やベビーカーを押しているお母さんにも同じように役立ちます。注意してみてみると、エレベーターの鏡は姿見よりはすこし低い位置に設置されているはず。

バラエティー番組でこの鏡の意味を紹介したところ、放送後に沢山の「知らなかった!」というコメントが届いたそうです。また番組が事前に「エレベーターの鏡は何のためについているか知っていますか?」とアンケート調査を行ったところ、「知らなかった」という人が85%。「これまでに考えたことがなかった」や「犯罪防止のため」「身だしなみのため」といった回答が多かったそうです。

 

最近では上部に鏡がついている場合も

エレベーターの鏡は、昭和50年頃日本エレベーター協会によってその材質や設置場所についての標準が定められるようになりました。以後その協会標準を参考にしながら、各地方自治体が実際にエレベーターの鏡を整備。例えば東京都では、「エレベーター正面の壁に床上40センチから150センチ程度まである鏡を設ける」と定められています。

最近では片方のドアから前進してエレベーターに乗り込み、そのままもう片方のドアから出ることができるエレベーターもあります。その場合でもエレベーターの上のほうに小さな鏡が斜めについているので、車いすの方は「自分の後からどれくらいの人が乗ってくるか」などを確認することができます。

file-t-7
 

車いす専用のエレベーターボタンの役割

エレベーターを呼ぶときにはボタンを押しますが、通常のボタンの他、下の方に車いすの方専用のマークがついたボタンが付いている場合があります。これらの2種類のボタンは違う意味を持っていて、車いすの方専用のボタンを押した場合、鏡がついたエレベーターの方が到着するように設定されています。

また車いすの方は、他の方よりエレベーターの乗り降りに時間がかかるもの。通常のボタンの場合はドアの開閉時間が3~5秒程度ですが、車椅子のマークがついているボタンが押された場合、開閉時間が10秒ほどに設定されており、ドアが長めに開くようになっています。

たとえ急いでいるからといってたくさんのエレベーターのボタンを押してしまうと、本当に必要な人の迷惑となってしまいますので、車椅子の方がいない時は専用ボタンを押さないようにしましょう。

エレベーターの鏡は車いすの方が後方を確認するために設置されています。しかし、実際に車いすに乗ったり介護をしたりするまでは、鏡の意味を知らなかったという人が多数。もし車椅子の方がエレベーターに乗ってきたら、鏡の前からどいたり降りるまで延長ボタンを押して手伝うなどするようにしましょう。

鏡の前で身だしなみチェック・・・なんて、もってのほかですよ。お互い気持ちよくエレベーターを使用できるようにしましょう!

 
 







 
 
 
 

●homeに戻る